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生けるテーマ

アジサイ、静けさに潜むエネルギー

関東地方も梅雨に入りました。意外とこの時期は落ち着いた気分になり好きな季節です。沛然と降る雨は、視角からも聴覚からも一番心地良く感じます。風が強い日は体の中のエネルギーも渦巻くのを感じます。除湿器の音は好みではありませんが。日本人の感性に深く根付いた花としての紫陽花は、桜に続いて特別な存在感を持っているように思います。桜が春の訪れと共に一斉に咲き誇り、短い命を全うする姿が「もののあわれ」を象徴するとされる一方、アジサイは梅雨の季節に静かに花開きます。その花の美しさは、雨の中でしっとりと濡れる姿に妙に心が惹かれていきます。また、多様な色彩変化は日本人が持つ繊細な感性に訴えかけるものがあります。この色彩の移ろいは日常の中で変わりゆく景色をアジサイを通じて感じる無常観や日本人の忍耐強さ、柔軟性を潜在的に感じてしまうのでしょうか。花言葉に「移り気」や「辛抱強さ」といった意味がありますが、日本の四季折々の風景や気候変動と共に生きる姿と、やはり重なります。また鎌倉の長谷寺や京都の三千院などのように、庭園や寺院では、アジサイの花が風景の一部として取り入れられています。静かに忍耐強く、確かな存在感で日本人の心を捉える花だからでしょうか。写真説明に移ります。テーマ写真の紫陽花と白いお花(西洋ノコギリソウ)は地元の直売所で手に入れました。左上部にまだ小さく蕾が多い花紫陽花を置きました。アジサイは開花しながらどんどん大きな花へと成長していきます。ユキヤナギの小さな葉は紅葉する時期まで元気です。下、一枚めは、昨年秋のことです。ある公共機関の入り口に直径が20センチほどの枯れたアジサイの花が3~4メートル以上もある大木に沢山まだ付いていました。厚かましく職員の方にお願いし、その枝を頂いてきました。数日前、再びその機関に用あっていきました。アジサイの大木には白、水色、ピンクなどが混在して咲いています。不思議な木です。写真を撮らなかのが少し心残りです。二枚目、優しいピンク色です。開花期間は少々短めの品種のようです。三枚目、数年前の自宅アトリエの紫陽花です。 毎年、アジサイは私自身の生け花に登場する大切な花材です。除菌を意識しながらこの梅雨の時期を楽しみましょう!良い一週間をお過ごしくださいませ。(追加 : 除菌は一種類だけの薬剤使用は避けましょう。耐性菌が増加する可能性があります)野花人

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