すきま時間、アプリで学ぶ生け花アート

生け花の基本(2-1)・役枝

はじめに
生け花は全ての花材が正面を向いてることは殆どありません、向きは置き場所によって変わります。
例えば、室内の左側に置く場合は「本勝手」のお花。右側に置く場合は「逆勝手」のお花と呼びます。これは書院造りという日本の建築様式に合わせたことから生まれたものです。
ここでの説明は「本勝手」になっています。「逆勝手」とは左右対称になります。

1.役枝


生け花の基本には、あらゆる流派で重要とされる3本の役枝があります。役枝は、会社や組織に置き換えると、経営方針を決める人々、それをサポートする人々、そして方針通りにバランス良く運営されているかをチェックする人々や部署に相当します。
役枝の名前や枝の長さ、生ける角度は流派によって異なります。

hanaliveの3本の役枝は、1⃣ 芯(core)、2⃣ 支(support)、3⃣ 整(balance)と名付けています。さらに、時々登場する役枝として4⃣ 遊(playful)があります。

hanaliveは、伝統的な技法である役枝の重要性と、現代的な柔軟性、すなわち自由な表現の両方を大切にし、そのバランスを重視しています。


2.生け方の手順


手順1

最初に1⃣芯を生けます。作品の指針となります。
長さは目安として器の幅の2倍弱です。枝のボリュウムによって加減します。時には1⃣芯を後から入れる場合もあります。





生け花は機械やマニュアルとは異なり、その時の心情・感情・花材の状態や器から受ける印象など
から「加減する事」が大切な要素です。すなわち生け花流「足し算・引き算」です。



手順2


1⃣芯をサポートする2⃣支を生けます。長さの目安は大体1⃣芯の3分の2くらいです。







手順3


ここでお花を入れます。準備した3本の中で一番高さのあるお花です。目安として1⃣芯の高さの2分の1を超えないように調整します。




手順4


3本のお花は正面から見て、手前、中央、後ろにと配置します。
最初に生けた中央の花が一番高くなっています。2番目に高さがあるのが手前、正面に生ける花です。後ろは一番低い花が入ります。



3本のお花の頭を線で結ぶと不等辺三角形になるように生けると動きが感じられるようになります。


手順5


右側に低い枝3⃣整を入れました。高さは1⃣芯の3分の1くらいです。役枝ではありませんが1⃣芯の左にも小さめの枝を入れました。これは1⃣芯の枝に足りなかったボリュウムを補う為の枝です。
1⃣芯、2⃣支、3⃣整の頭結んだ線も不等辺三角形になっています。




手順6


全体の整理をします。1⃣芯と2⃣支の枝の小枝の整理と高さを調整しています。花は2輪付いていた一番高さのあるものから一輪花を整理しました。




訂正:4⃣遊 (spacious) → (playful)


後記


1⃣芯を入れる順番が後になる場合には2⃣支も3⃣整の順番も変わってきます。時として変化することがありますが、またその変化も楽しめる生け花であって欲しいです。

前向きに、生徒さんたちの創造性を引き出し、それぞれ個人の成長を促せるように努めています。また、伝統を尊重しつつも新しい視点を取り入れる姿勢が、多くの方々にとって魅力となって欲しいと考えています。